江戸蕎麦 一香庵 by Suzuasa
 
 
第1回:そばの起源・種類
第2回:そばの栄養学
第3回:そば街道
第4回:年越し蕎麦
 
 
 
 
そばの栄養学

 そばは米・小麦など穀類と比べると非常に栄養価の高い食べ物ですが、その秘密はどこにあるのでしょうか?また、その効能にはどのようなものがあるでしょう?
タンパク質、ビタミンB1・B2は穀物中最高!
そばは栄養価の高い食べ物ですが、その秘密は精製しないで全粒(むぎ実)として利用することです。米・小麦など穀類のほとんどが、精製により、栄養たっぷりな胚芽の部分を取り除き、胚乳部だけを食べるのに比べ、そばは胚芽や種皮の一部も食用にできるからです。

そばは、タンパク質がたっぷり

タンパク質は、私たちの生命の維持や成長に欠かせないものです。そばにはこのタンパク質が多く、精白米の9.2%に対してそばは12.1%と3割以上も多く含まれています。また、質的にも良質です。それはタンパク質を構成しているアミノ酸価で調べますが、完全食品といわれる鶏卵を100とするとそばは92とほぼ牛乳に匹敵し、精白米の65に比べても大変高いものです。しかも体内では作ることの出来ないアミノ酸、特に必須アミノ酸が多く含まれていることが特長です。身体の発育に大切なリジンやスタミナ源として注目されているアルギニンなどの必須アミノ酸が多く含まれており成長期の子供に適した食べ物なのです。


そばは、ビタミンB群の宝庫

そばにはビタミンB群が多く含まれています。とりわけビタミンB1、B2は精白米の4倍も含まれているのです。B1は体力の低下、イライラ、食欲不振の解消に効果を発揮します。また、B2は皮膚や粘膜を健康に保つために欠くことのできない栄養素です。最近、イライラして怒りっぽくなったり、少しの運動で疲れたり息切れする子供たちが見受けられますが、ビタミンB群の不足かもしれません。そばをたくさん食べてビタミンB群を補給しましょう。

 
参考文献:全国麺類生活衛生同業組合連合会資料より抜粋

そばの薬効
 そばにはいろいろな病気を防ぐ力があります。ルチン、リノール酸、ビタミンEは血管の老化を防ぎ、高血圧になりま
せん。また、お酒を飲む前にそばを食べると、そばの中のコリン(水溶性ビタミンの一つ)や良質の蛋白質、ビタミンE
が肝臓を守ります。そばを肴にお酒を飲むのは粋なだけじゃなく体を守るためだったんですね。また、ヘミセルロース
(食物繊維)が多く含まれているので便秘の改善にも役立ちます。その他の薬効には腰痛、歯痛に効くといわれてい
ます。

 

 
そばの美容効果
 

そばは高血圧の予防、ダイエットに効果的

 
血液サラサラ効果
そばは穀類で唯一ルチンを含んでいるといわれています。ルチンはビタミンPの一種で老化により細くなった毛細血管を強化し血圧を下げる効果があります。また、そばにはコリンという成分が含まれています。このコリンは肝臓の働きを促進する効果があり、飲酒によって肝臓に脂肪がたまるのを防いでくれます。お酒はおそばと一緒に飲むと良いでしょう。
 
ダイエット効果抜群
茹でたそばは炊いたご飯と比べて1割以上もカロリーが少ないので、肥満気味の人にはダイエット食としてお勧めできます。また、最近注目されている食物繊維もそばには多く含まれています。食物繊維は体内で消化・吸収されませんが、整腸作用という重要な役割を果たしています。便通を整え、腸内にあるコレステロールや有害物を水分と共に体外に排出してくれます。便秘は肌の大敵。おそばは、きれいな肌、スリムな身体をお約束します。
 
参考文献:全国麺類生活衛生同業組合連合会資料

ルチンについて

そばが高血圧によいといわれるのは、そば粉に「ルチン」が多く含まれているからだ。「ルチン」は、今注目されている栄養成分の一つで、かつてはビタミンPとよばれていたビタミン類である。毛細血管の働きを安定、強化させ、脳出血や出血性の病気の予防効果があるといわれている。「ルチン」には、弾力性のなくなった、破れやすくなった血管を新しい弾力性のある血管に取り替える働きがあり、血液をスムーズに流す作用がある。

毛細血管を強化するためには一日二〇ミリグラムの摂取が目安で、茹で上げたそば切り一〇〇グラムの中には一〇ミリグラムのルチンが含有されるので、一人前(約二〇〇グラム)のそばを毎日食べればよい。また、単独よりもビタミンCと一緒に取ると効果が強めれらる。

「ルチン」は水溶性のため、茹でている間にどんどん茹で湯の中に溶け出してしまう。そば湯はビタミン類の貴重な補給源でもある。そば湯を飲む風習は、信州で始まり、それが江戸に広まったとされている。年代は明らかでないが、元禄一〇年(一六九七年)刊といわれる『本朝食艦』はそば湯を取り上げ、そばを食べたあとにこの湯を飲まないと必ず病にかかる、とも解釈される内容を書き記している。

 
●参考文献「そば・うどん百味百題」「そば 至宝の伝統食(2)」「蕎麦辞典」